2019年度第3回研究会を、2020年2月19日(水)、当財団のライブラリー会議室で開催しました。概要は以下のとおりです。
【第1部】情報共有と議論
(1)会員温泉地の報告 (代表発言者・発言順)
黒川温泉:松﨑郁洋氏(黒川温泉 自治会長/日本温泉協会 副会長)
由布院温泉:冨永希一氏(由布院温泉旅館組合 組合長)
阿寒湖温泉:三亀徹氏(阿寒観光協会まちづくり推進機構 次長)
道後温泉:宮﨑光彦氏(道後温泉旅館協同組合 副理事長)
有馬温泉:當谷逸郎氏(有馬温泉旅館協同組合 理事長)
草津温泉:市川薫氏(草津温泉観光協会 会長)
(2)グループワーク〜「温泉バカンス経験」のイメージ共有
【第2部】講演とディスカッション
(1)講演「温泉地における新たなコンテンツ開発に向けて」
講師:観光庁観光資源課 新コンテンツ開発推進室課長補佐 小林誠氏
(2)ディスカッション
今回の研究会には6つの会員温泉地の皆さんが参加し、鳥羽温泉郷は欠席となりました。
開会の挨拶として、2月中旬以降、急速に感染拡大が懸念されるようになった新型コロナウイルスについて、宮﨑光彦代表から「現実を見て正しい対応をし、地域で議論していくことが必要。逆風ではあるがピンチをチャンスに変え、どんな状況になろうともお客様に支持されるような地域にしていきたい。そうしたことについて、この研究会には大きな役割がある」と発言がありました。
続いて、2019年度の研究会のテーマであるインバウンドに関連して、日本で昨年開催されたラグビーワールドカップと、日韓関係悪化など外交問題への対応、直近の話題である新型コロナウイルス感染拡大への対応の3点を中心に会員温泉地から報告が行われました。
新型コロナウイルスに関しては、各温泉地を取り巻く状況の厳しさや今後の見通しへの不安が多く語られ、当研究会の副代表でもある有馬温泉の當谷逸郎氏は、2009年に日本初の新型インフルエンザが神戸で発生した時のことを振り返りました。
「有馬にも3ヶ月ほどはお客様が来ず、マスコミ取材が集中したが、この時に約400人でまち全体の掃除を行ったことが大きく報道された。そうしたこともあり、その年の8月の宿泊客はほぼ過去最高にまで伸びた」とのことで、冒頭の宮﨑代表の「ピンチをチャンスに」という言葉を裏付けるようなエピソードが披露されました。
第1部の後半では、当研究会初の試みとして、グループ議論を行いました。テーマは「『温泉バカンス経験』の姿をイメージし、共有する」で、参加者を4つのグループに分け、外国人に温泉地でどのような過ごし方をしてほしいか、そのために必要なハードやソフトは何かといったことについて自由に話し合いました。
議論をより具体的に進めるために、豊田建築設計室の深山健太郎氏が描いた温泉バカンスのイメージイラストも配布されました。各グループとも活発な議論が行われ、また参加者同士が新たな形で交流する機会ともなりました。グループごとにまとめられた議論内容は、事務局にて今後の検討材料として参考にさせていただきます。
第2部は、観光庁で新コンテンツの開発を担当する小林誠課長補佐をお招きし、「温泉地における新たなコンテンツ開発に向けて」をテーマに、観光庁が温泉や温泉地について行っている取り組みや、健康・美容とツーリズムに関する世界的な動き、訪日客が温泉や温泉地に期待する要素などについてお話しいただきました。
続いて、小林氏を交えたディスカッションの時間が設けられました。小林氏からは各温泉地の実情を学びたいということで、積極的に質問が投げかけられ、例えば、タトゥーを入れた入浴客への対応方法などについて活発に情報・意見の交換が行われました。
(事務局)