2022年度の第2回総会・研究会を2022年11月24日(木)、(公財)日本交通公社で実施しました。概要は以下のとおりです。
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【開会挨拶】
温泉まちづくり研究会 代表 宮﨑光彦氏
【第1部】 欧州視察報告と質疑応答
報告:温泉まちづくり研究会 事務局 (JTBF活性化推進室長) 中野文彦
【第2部】各温泉地の取組報告と意見交換
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今回も前回に引き続き、リアル開催と合わせてZoomによるオンライン配信を行うハイブリッド形式で行われました。
開催に先立ち、道後温泉旅館協同組合の副理事⻑で当研究会代表を務める宮﨑光彦氏が「今日のメインテーマはサステナブルツーリズムということで、事務局が欧州の現場を見て聞いてきたことを報告いただき、諸外国と日本の意識の違い、今後の旅行や温泉まちづくりにどう反映していくかを議論し、相互に勉強したい」と挨拶しました。
また昨年、コロナ禍で改めて認識した温泉地として大切にしていきたいことを確認・共有し、当研究会として採択した「由布院宣言2021」について触れ、「この宣言を今一度受け止め、研究会として意識を共有し、外にも発信する努力が必要では」と述べました。
第1部では、9月25日〜10月4日に温泉まちづくり研究会の事務局が実施した欧州視察(デンマーク(コペンハーゲン、ボーンホルム島)、ドイツ(バーテン・バーデン))について報告が行われました。
デンマークやドイツでは社会全体で環境に配慮する意識が浸透しています。例えばプラスチック不使用は既に定着していて、宿泊施設や観光施設においても食器やアメニティ類にもプラスチックはほぼ使われておらず、観光客はサステナブルな滞在を行えます。またボーンホルム島の宿泊施設では、市民生活への配慮や中小企業の支援等の観点から需要平準化を目指し、サステナビリティを強く打ち出してアピールすることで閑散期にMICE誘致を図り、平準化に成功しています。
また、今後の示唆として、「サステナブルは確実に訪れるポストコロナの大きな社会やライフスタイルの変化で、観光地にとっては必須の基盤的な取組と言える。サステナブルな観光地というだけで訪れる理由とはならないが、再び訪れる理由になる」ということが報告されました。
意見交換では、「サステナブル対応を行うための原資の調達方法」「コロナ対策で奨励されている使い捨てとサステナビリティとのすり合わせ」「先行してサステナブルな取組を行った事業者の先駆者利益」等について、活発な議論がなされました。
第2部では、国等の事業を活用した取組や各会員温泉地の課題解決に向けた取組について情報共有や意見交換が行われました。