観光地における環境対策
温泉まちづくり研究会では、2022年度から3年間、「環境」をテーマとして研究を進めてまいります。
2020年にコロナ禍に突入し、世界は大きく変貌しました。観光産業の中でも様々な変化が生じましたが、その一つとして「環境対策」や「サステナブル」への着目が挙げられます。コロナ禍前から世界の富裕層や欧州市民の間では環境への意識が高まっていましたが、コロナ禍を経て、「サステナブル・ツーリズム」という形で環境配慮が観光に取り込まれる流れが加速しました。現在欧州を中心に、世界の様々な観光地・観光産業が、「環境対策」「地域への貢献」「住民との共生」などを重視したサステナブルな取組を行っています。
日本でも、環境教育や観光地認証制度など、環境対策やサステナブルに関する取組が各分野で始まっており、観光分野でも様々な取組が動き出しています。一方、どのような取組が「観光地」あるいは「宿泊施設」として重要なのか、観光客にどのように伝えれば認知されるのか、地域にも貢献する取組みとは何かなど、様々な模索がなされているのが現状です。しかし、インバウンドが回復すること、今後はZ世代やエシカル層等環境意識の高い層へと観光の世代交代が進むと考えられることなどを考慮すると、サステナブルや環境への対応は喫緊の課題であると考えられます。 本研究会では、3か年にわたり日本の温泉地ならではの環境対策やサステナブルの在り方、またその発信の仕方を検討します。具体的には、2022年度は海外事例や観光分野におけるサステナブルを取り巻く現状の研究、2023年度は各会員温泉地の取組の検証や推進方策の検討、2024年度は取組や方針の発信を行う予定です。本活動を通じて、強靭で持続可能な温泉地の形成を目指してまいります。