温泉まちづくり研究会は、まちづくりに熱心に取り組み、本研究会の設立趣旨に賛同する日本の代表的な7つの温泉地(阿寒湖温泉、草津温泉、鳥羽温泉郷、有馬温泉、道後温泉、由布院温泉、黒川温泉)と、事務局をつとめる(公財)日本交通公社で構成されています。
相互に情報交換をしながら、各温泉地が抱える共通の課題や解決の方向性などを共に議論し、具体的なアクションにつなげています。
阿寒湖温泉
阿寒湖や特別天然記念物の「まりも」に代表される阿寒国立公園の豊かな自然やアイヌ文化、そして豊富な天然温泉を有する、北海道を代表する観光・宿泊拠点です。 2000年に住民参加を特徴とするまちづくりを開め、現在も『阿寒湖温泉・創生計画2020』に基づき、長期滞在できる温泉地を目指して、ホテル・旅館、土産品店、飲食店、住民など、地域が一体となった取り組みを展開しています。
>> 阿寒観光協会ホームページ
草津温泉
草津温泉は、全国第2位の面積を誇る上信越高原国立公園内、草津白根山の東に位置し、自然湧出量日本一を誇る火山由来の温泉として、日本三名泉の一つに数えられています。「泉質主義」を掲げ、草津ブランドの価値向上に取り組むとともに、歩いて楽しめる魅力的な観光地づくりを官民連携で推進しています。こうしたまちづくりの一環として、町中心部を通る国道の立体交差化にあわせて、門に見立てた「温泉門」を整備し足湯、駐車場などを備えた新たな玄関口を創出しました。また、地蔵源泉周辺を「裏草津 地蔵」として再整備し、高台広場や漫画堂、カフェなどが誕生し新たな魅力を創出しています。さらに、温泉熱を利用した温水供給、道路の融雪といったECOな取り組みも実現しています。
>> 草津温泉観光協会ホームページ
鳥羽温泉郷
伊勢志摩国立公園内随一の宿泊拠点で、4つの有人離島や自然景観、漁村集落や日本一の人数を誇る海女、海の幸、ミキモト真珠島や鳥羽水族館などを有し、三重県観光をリードしています。 現在は、「第二次鳥羽市観光基本計画」に基づき官民一体となった戦略的な観光地づくりを目指しており、入湯税の基金化や観光を支える漁業との連携(漁観連携)など興味深い取り組みを進めています。
>> 鳥羽市温泉振興会ホームページ
有馬温泉
六甲山の北部に位置し、1300年の歴史と伝統を誇る日本最古の温泉地の一つです。時の為政者や文人墨客など、多くの歴史上の人物に愛されてきました。 1995年の阪神・淡路大震災を契機に、温泉街の魅力を高めて誘客を図ろうと、ハード・ソフトの両面で数多くの事業を次々と展開しています。2013年度からは、若手・中堅が中心となり策定した『有馬温泉まちづくり基本計画』に基づき、「世界に誇れる温泉地」を目指した取り組みが行われています。
>> 有馬温泉観光協会ホームページ
道後温泉
日本書紀にも登場する我が国最古の温泉の一つ。 1894年に建築された道後温泉本館は、数度の増改築を繰り返しながらも建築当時の姿をとどめ、現在も多くの方に利用されている。2014年には、改築120周年を記念して、温泉と現代アートが融合した「道後オンセナート」を開催。現在は、『歴史漂う景観まちづくり宣言・道後百年の”景”』に基づき、民間団体が主導して、美しく魅力的でかつ都市型温泉郷空間の実現を目指した取り組みが進展中である。
>> 道後温泉旅館協同組合ホームページ
由布院温泉
大分県のほぼ中央、由布岳をはじめとする山々に囲まれた由布院盆地に位置し、全国第2位の源泉数と全国第3位の温泉湧出量を誇る温泉地です。長きにわたり「最も住みよい町こそ優れた観光地である」という考えのもと、官民連携して観光まちづくりを実践しています。近年では、より質の高い環境整備に向けた取り組みを強化しており、滞在型温泉保養地としての可能性を追求し、温泉と食、自然、文化を組み合わせた新たな滞在スタイルの提案が進められています。また、「ゆふいんの落ち着いた交通環境をつくろうプロジェクト」や「ゴミのポイ捨て等の防止に関する条例」を施行するなど、暮らしと観光の両立を目指しています。
>> 一般社団法人由布市まちづくり観光局ホームページ
黒川温泉
熊本県北部、阿蘇くじゅう国立公園に隣接する閑静な山あいの温泉地で、大分県との県境に位置します。豊かな自然と懐かしさを覚える街並み、山里の立地を生かした風情ある露天風呂が特徴で、「入湯手形」を利用した露天風呂めぐりは、多くの温泉地の手本となった取り組みの一つです。「黒川温泉一旅館」を合言葉に、地域全体で景観整備と環境保護に取り組みながら、自然と共生する持続可能な取り組みが進められています。また、「世界を癒す、日本里山の豊かさが循環する温泉地へ」という2030年ビジョンのもと、人と自然が共に豊かに暮らせる温泉地の姿を描いています。
>> 黒川温泉観光旅館協同組合ホームページ
事務局:公益財団法人日本交通公社
(公財)日本交通公社は、1912年ジャパンツーリストビューローとして誕生、戦後現在の名称へ改称しました。1963年に営業部門(現・株式会社ジェイティービー)を分離し、公益法人として調査・研究などの活動を通じ、旅行・観光の文化的かつ持続的な発展を目指しています。
組織のミッションである観光文化の振興のため、旅行・観光に関する独自の視点に立った自主研究や自主事業(地域協働事業など)に取り組み、旅行者や観光地の動向に関するデータの収集・分析、セミナー・シンポジウムを通じた研究成果の公表、書籍の出版に加えて、「旅の図書館」の運営などに務めています。
また、我が国では数少ない旅行・観光分野を専門とする調査研究機関として、国・地方公共団体・公的機関等からも様々な調査研究業務を受託し、国や地方の観光振興の一翼を担っています。
>> 公益財団法人日本交通公社ホームページ
<お問い合わせ先>
(事務局)公益財団法人日本交通公社 後藤(伸)・山本・佐藤
TEL:03-5770-8440 FAX:03-5770-8359
MAIL:info-onmachi@jtb.or.jp