2020年度第2回温泉まちづくり研究会を開催しました(11月5~6日)

2020年度第2回研究会を2020年11月5(木)〜6日(金)、道後温泉で実施しました。概要は以下のとおりです。

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【11/5(木)】

1.開会
   開 会 挨 拶  温泉まちづくり研究会代表 宮﨑光彦 氏
   来 賓 挨 拶  松山市長 野志克仁 氏
   開催地挨拶  道後温泉旅館協同組合理事長 新山富左衛門 氏

2.道後温泉視察(まちあるき)

【11/6(金)】

3研究会
<第1部> 講演
「道後温泉の活性化について~官民協働で百年輝き続ける最古の湯 道後~」
  松山市産業経済部 道後温泉事務所 活性化担当課長 山下 勝義 氏

<第2部> グループディスカッション
 テーマ
  ①歩ける空間・景観づくり
  ②温泉バカンスの具現化
  ③温泉地とワーケーション
  ④デジタルトランスフォーメーション(eスポーツなどを含むオンライン
   コンテンツ、旅館や温泉地のデジタル化)
 ※全員がすべてのテーマについて議論するワールドカフェ方式で実施

 <第3部> 全体ディスカッション
 当研究会では毎年、7つの会員温泉地のいずれかで現地開催するのが恒例となっていますが、道後温泉で行われた今回はコロナ禍を考慮し、「新型コロナウイルス感染症禍におけるMICE開催のためのガイドライン第3版(改訂版)」や「道後温泉の宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」をふまえて、徹底した感染症対策の元で実施しました。
 また、道後温泉でのリアル開催に加え、現地に直接来訪できない各温泉地の研究会メンバー向けにZoomを使ったオンライン配信をあわせて行う、初めての試みにチャレンジしました。

 11月5日の開会セレモニーは道後温泉別館として2017年にオープンした飛鳥乃湯泉2階で実施。道後温泉旅館協同組合の副理事⻑であり、当研究会代表を務める宮﨑光彦氏、来賓としてお越しいただいた野志克仁松山市長、道後温泉旅館協同組合理事長を務める新山富左衛門氏から歓迎のご挨拶をいただいた後は、道後温泉本館の皇室専用浴室「又新殿(ゆうしんでん)」を再現した特別浴室や、飛鳥時代の建築様式を取り入れた外観などを見学しました。

 その後、参加者はグループにわかれて道後温泉のまちあるきを行い、翌日にオープンを控えるお茶屋華ひめ楼、坊ちゃん列車、湯神社、現在改修中の道後温泉本館が一望できる空の散歩道、円満寺、ひみつジャナイ基地(『日比野克彦×道後温泉 道後アート2019・2020「ひみつジャナイ基地プロジェクト」』の一つ)、宝厳寺、道後温泉本館などを視察しました。
 道後温泉本館が改築120周年の大還暦を迎えたことを記念して2014年に開催された「道後オンセナート」は、その後も取り組みを継続して行っており、2017年9月のプレオープンを皮切りに、2018年4月のグランドオープン、2019年2月のフィナーレと続きました。一時的なイベントに終わらず、現在でもまちのあちこちに息づいているアートを楽しみながらのまちあるきとなりました。
また、夜には道後温泉本館を未来に残すための「道後REBORNプロジェクト」の一環で行われている「道後温泉本館プロジェクションマッピング スペシャルプログラム『FIREWORKS BY NAKED -火の鳥2020-』」を見学しました。

 11月6日に行われた研究会の第1部では、松山市道後温泉事務所の活性化担当課長を務める山下勝義氏に道後温泉の活性化に対するこれまでの取り組みについて講演していただきました。
 道後温泉本館の周囲に歩行者が歩きやすい空間を整備したり、建築物の色や広告にガイドラインを設けることで景観に統一感をもたせるなど、魅力あるまちづくりの背景には、官民連携で一つ一つ施策を丁寧に進めてきた地道な取り組みがあることが語られました。
 「道後オンセナート」は、1年間という長期に渡って開催されますが、これは旅行会社にとっての商品化しやすさを考慮しており、松山市では実施の半年前から宣伝予算を組んでいるなど、年度の枠や縦割り体制に縛られない柔軟な対応に参加者から賞賛の声が上がりました。

 第2部のグループディスカッションは、参加者一人一人が発言する機会を多く設けるため、「ワールドカフェ形式」によって行われました。
 歩ける空間・景観づくり、温泉バカンス、温泉地とワーケーション、デジタルトランスフォーメーションという4つのテーマ別にテーブルが設置され、参加者は15分間ごとにテーブルを移動し、すべてのテーマについてディスカッションし、少人数でテーブルを囲むことにより、くつろいだ雰囲気となり、どのテーマも議論が弾みました。

 第3部は全員による総括ディスカッションが行われ、GoToトラベルキャンペーンが終了した後の取り組みや、コロナによってもたらされる変化をいかに温泉地のイノベーションに活かしていくかといった意見交換を行いました。
 最後は宮﨑光彦代表の「2014年の道後オンセナートのキャッチコピー『最古にして、最先端』や『伝統は革新の積み重ね』という言葉が示すように、とにかく新しいチャレンジを続けていくことが大事」という挨拶で、2日間の研究会が締めくくられました。

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