2016年度第2回温泉まちづくり研究会」を鳥羽温泉で開催しました(10月25日-26日)

7つの温泉地と当財団が共同で研究活動を進めている「温泉まちづくり研究会」(2008年発足)。
2016年度第2回研究会を10月25日(火)、26日(水)の2日間、会員温泉地の一つである三重県鳥羽市の鳥羽温泉郷で開催しました。概要は以下の通りです。

10月25日(火)【研究会】(会員限定)サミット開催の舞台に学ぶ
〜鳥羽温泉郷の魅力と取組〜会場:海の博物館 映像ホール 〜

1.開催挨拶  大西雅之氏 (温泉まちづくり研究会 代表)
2.来賓挨拶  鈴木昭久氏 (国土交通省中部運輸局 局長)
3.開催温泉地からの報告 「地域資源活用 鳥羽まちづくり観光戦略」 
吉川勝也氏((一社)鳥羽市観光協会・鳥羽市温泉振興会 会長)
4.各温泉地からのコメント・現状報告
5.閉会挨拶  梅川智也(温泉まちづくり研究会 事務局長)
終了後、グランドエクシブ鳥羽にて交流会
10月26日(水)【研究会】(公開)温泉まちづくりサミットin鳥羽温泉郷温泉地と国際MICE
~伊勢志摩サミットを例にして~
会場:グランドエクシブ鳥羽アネックス マリンポート
1.開会挨拶  大西雅之氏(温泉まちづくり研究会 代表) 
梅川智也(温泉まちづくり研究会 事務局長)
2.開催温泉地挨拶 木下憲一氏(鳥羽市 副市長)  
吉川勝也氏((一社)鳥羽市観光協会・鳥羽市温泉振興会 会長)
3.プレゼンテーション
① 温泉まちづくりサミットの趣旨等説明  
守屋邦彦(温泉まちづくり研究会 事務局次長)
② 国からみた伊勢志摩サミット 鈴木昭久氏(国土交通省中部運輸局 局長)
③ 県からみた伊勢志摩サミット 村上亘氏(三重県伊勢志摩サミット推進局 局長 伊勢志摩サミット三重県民会議 事務総長)
④ 地元からみた伊勢志摩サミット 奥村太郎氏(伊勢志摩サミット鳥羽おもてなし会議 事務局)  
川勝也氏((一社)鳥羽市観光協会・鳥羽市温泉振興会 会長) 
世古晃文氏((一社)鳥羽市観光協会 専務理事)

4.ディスカッション 鈴木昭久氏(国土交通省中部運輸局 局長) 
村上亘氏(三重県伊勢志摩サミット推進局 局長) 
奥村太郎氏(伊勢志摩サミット鳥羽おもてなし会議 事務局)
 <会員温泉地代表> 大西雅之氏(NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構 理事長) 
吉川勝也氏((一社)鳥羽市観光協会・鳥羽市温泉振興会 会長)  
金井啓修氏(有馬温泉旅館協同組合 専務理事) 
新山富左衛門氏(道後温泉旅館協同組合 理事長) 
安部順一氏(由布院温泉旅館組合 事務局長) 
松崎郁洋氏(黒川自治会 会長)  
コーディネーター 梅川智也(温泉まちづくり研究会 事務局長)

今回の研究会には開催地の鳥羽をはじめ、阿寒湖、有馬、道後、由布院、道後の6つの会員温泉地の皆さん、オブザーバーとして北海道大学公共政策大学院の小磯修二特任教授が参加されました(草津温泉の皆さんは他イベントが重なり欠席)。 
1日目の10月25日は午後に集合して現地視察へ。最初に志摩観光ホテルを訪れ、今年5月に開催された伊勢志摩サミットでG7首脳が会食を行ったレストランなどを見学。

 続いて、海女による地域おこしに力を入れている相差(おうさつ)地区の海女小屋や海女文化資料館、「願いが一つだけ叶う」として女性に人気の神明神社へ。 
その後、雨が激しくなったためバス車窓からとなりましたが、伊勢神宮に奉納する熨斗鰒を作るため、海女達がアワビを獲る御潜(みかづき)神事が行われる国崎(くざき)地区の老の浜を見学しました。 

最後に、鳥羽の海の文化に関する展示をしている海の博物館を見学後、館内の映像ホールで会員限定の研究会がスタート。 
当研究会の大西雅之代表と来賓挨拶に続き、鳥羽市観光協会・温泉振興会の吉川勝也会長から鳥羽の観光まちづくりについてのプレゼンテーションが行われ、鳥羽では地元産水産物の域内調達率調査やブランド化、体験プログラムの造成など、漁業と観光の連携が進められていることなどが語られました。

最後に、会員温泉地の代表からのコメントと現状報告が行われました。

 2日目はグランドエクシブ鳥羽アネックスのコンベンションホール・マリンポートで、一般公開の研究会が行われました。
5月の伊勢志摩サミットにちなみ、タイトルは「温泉まちづくりサミットin鳥羽温泉郷」。
国際的なMICEを開催した際の経験や課題を共有することが今回の大きな目的です開催地を代表し、鳥羽市の木下憲一副市長と吉川会長の挨拶に続き、国、県、地元それぞれから見た伊勢志摩サミットでの取り組みについてのプレゼンテーション、伊勢志摩サミットによる観光的な成果や課題が発表されました。 

「国から見た伊勢志摩サミット」として国土交通省中部運輸局の鈴木昭久局長からは、中部運輸局の取り組みが紹介されました。
サミット開催前後に行った伊勢志摩周辺に関するSNSの観光情報発信が好評で、リーチ数は32万以上に。「最も多かったのはイタリア、次いでフランスとこれまで弱かった欧州からのリーチが多くマーケットが広がった」と評価しました。
 
「県からみた伊勢志摩サミット」として三重県伊勢志摩サミット推進局の村上亘局長からは、サミット開催中に供された食事や贈呈品などで少なくとも269品目の県産食材、42品目の県産品が活用されたことが紹介されました。開催の大きな成果としては、若い世代を中心に県民が積極的におもてなしに参加したことが挙げられました。 
「地元からみた伊勢志摩サミット」として、伊勢志摩サミット鳥羽おもてなし会議事務局奥村太郎氏は、海外メディアを招いた鳥羽のプレスツアーが好評で、フランス版ナショナル・ジオグラフィック誌など多くの媒体に取り上げられたことを紹介しました。
「各国とも海女文化への関心が非常に高かった。あれもこれもと売り込み対象を広げず、明確に絞り込むことが大事」という感想を語りました。 

また、(一社)鳥羽市観光協会の世古専務理事からは、伊勢志摩地域の知名度が上がった反面、「サミット開催前の4~5月は客室があいているのにもう予約でいっぱいという風評がかなり出回った」という影響もあったことを指摘。

そして最後に(一社)鳥羽市観光協会・鳥羽市温泉振興会の吉川勝也会長より、「受け入れ現場では苦労もあったが、鳥羽のポテンシャルを発信することができた。
今は遠隔地の団体客やインバウンドも増えている」とサミット開催の波及効果を評価しました。

 ディスカッションでは、道後温泉旅館協同組合の新山富左衛門理事長から「サミットの成果を風化させない施策として、どんなことを考えているか」という質問が投げかけられました。
村上氏は「伊勢志摩サミット三重県民宣言を制定して、次の世代に成果をつなぎたい」とコメントしました。 
オブザーバーの小磯氏からは「洞爺湖は環境サミットという位置づけだったが、県産品を大いに活用した伊勢志摩は『地産地消サミット』と言える。
域内調達率がさらに拡大する契機になれば」、黒川温泉の松崎郁洋黒川自治会長からは「こうした大イベントには住民の協力が不可欠。協力を得るには日頃から地元で支持される観光業者であることを目指すべきと感じた」という感想が寄せられました。

最後に「この温泉まちづくり研究会も9年目を迎え、会員同士が身内同士のように非常に親しく交流できている。今後は我々会員温泉地でも、サミットのように共同宣言のようなものが出せたらいいのでは」という大西氏の閉会挨拶で、2日間に渡る研究会が締めくくられました。

(2016/11/8 守屋邦彦)

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